ここにはタイトルとかを書くんでしょうか

TWは今日もメンテナンス。多少ロールバックされるらしいが、スタートラインが同じになると考えればまあ良いのではないだろうか。
箱を売って稼いだお金も消えるだろうが、やはり人間欲張ってはイケナイと思う。特に「なでしこ」とかいうイスピンは10M以上も荒稼ぎしていたらしく、ロールバックで再び貧乏人に戻るらしい。へこんでいるだろう。ざまあみろと言いたい。


バッティングセンターに行った。何人かの人はバッティングセンターをストレス解消の手段の一つだとか、野球での打撃の訓練の一つだとか捉えているかも知れないが、それは大きな勘違いである。
あの小さな穴から、時速100キロ以上ものスピードで硬い弾が放たれるのだ。直撃すれば人間の体などひとたまりもない。恐らく跡形も残らないであろう。
小生が行ったバッティングセンターも、他のそれと同様、やはり不穏な空気に満ち満ちていた。駐車場では辞世の句を詠んでいる人を見かけたし、入り口では涙を帽子で隠している人ともすれ違った。小生が手にしたバットにも血痕らしきものがこびり付いていたし、かぶったヘルメットからは鉄のような匂いがしたような気もする。バッターボックスの地面が紅かったが、もとは違う色だったのかも知れない。
そこの軽食コーナーなどは最早負傷者でいっぱいの野戦病院の如き有様で、力なく上げられた恋人の手を涙ながらに握り締めている女性の姿や、ぴくりとも動かない友人の名前を何度も何度も叫ぶ男達の声などが印象的だった。
打席へと向かう人たちは皆一様に青ざめた顔をしており、自分の打席が近づくにつれて小刻みに震えている者などもいた。まったくバッティングセンターとは恐ろしい場所である。



話は変わるが、小生がいつも通りの遅い昼食を食べていた時、静かな家のどこからか耳障りな音が聞こえてきた。何かを割るような、弾くような音だった。
その時間の家には小生以外の人間はいないはずだったので不審に思い、何度も繰り返される音の音源を探して家の中をうろついてみた。

廊下…階段…リビング…寝室…。どこからともなく聞こえていた音は「和室」に近づくにつれて大きくなり、和室に入る直前にははっきりとそこから音が出ていることが分かった。
泥棒の類だろうかと危惧した小生がバットの代わりにハエタタキを握り締めて勢いよく襖を開くと、不思議なことにその雑音はぴたりと止まり、耳鳴りがしそうな静寂だけがあたりを包んでいた。
部屋の中を見回してみても特に音を出しそうなものは無く、窓を開いて外まで確認しても同様であった。
結局、あの音が何だったのかは分からないまま小生は和室を出ようとして、和室の一角にある神棚に目が止まった。そういえば、あの音は爪を切ったときの「ぱちん」という音にそっくりだった気もした。
まさかね、と思いながら小生は和室を後にした。